銘 長運斎綱俊 天保三辰年二月日 応岡崎氏需造之 上作 新々刀(1832年) |
公財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書 新々刀大鑑所載品 長さ31.5cm 反り0.15cm 目釘穴1個 元幅2.7p 先幅 元重0.7p |
綱俊は出羽の国米沢の生まれで、本名を加藤八郎といい、米沢上杉家の藩士又はお抱え工と伝える。上京して水心子正秀の師事し、江戸麻布の上杉家中屋敷にて鍛刀する。 文久三年、六十六歳で没する。 姿、平造り、庵棟、反りやや深めにつく。 板目肌に杢目肌交じり、流れごころ加わり、地沸よくつき、地景入り、刃文に呼応するかのような影映りがあがる。 刃文、丁子乱れに蛙子風の丁子・小丁子・互の目・小互の目・尖り刃・角がかった刃など多種の刃が交じり、焼きに高低差が見られ、足よく入り、匂勝ちに小沸つき、玉を焼き、匂口明るい。 帽子、小丸に返る。 茎、生ぶ、先刃上がりの浅い栗尻、鑢目切り、表に五字銘、裏に年紀と注文銘を切る。 綱俊32歳の作。 最も得意とした備前伝ので、流石に注文打ちだけあり出来見事で、地鉄にも古風な趣があり、刃も多種多様な交えて変化に富み、見どころが多い。 備前伝の名手の名に恥じぬ素晴らしい出来映えで、綱俊の本領が十二分に発揮された典型作です。 |
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