| 銘 備州長船祐定 天正二年八月 古刀(室町時代 1574年) |
公財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書 長さ25.7cm 反り0.1cm 目釘穴3中1埋 元幅2.35p 先幅-- 元重0.65p |
祐定は、室町時代後期の備前鍛冶界を代表する一大流派として広く知られ、殊に文明・明応より天文頃にかけて最盛期を迎えた。祐定銘を切る刀工は数代にわたり繁栄し、その作風は実用性に富みながらも華やかな出来を示し、古来より武家の需要に応えて大いに珍重された。備前伝特有の潤いある地鉄と、明るく華やかな刃文を特色とし、末備前鍛冶の中にあっても祐定一門はとりわけ技量高く、今日においても愛刀家の人気が極めて高い名門である。 本作は、備州長船祐定の典型的作域をよく示した短刀である。 姿、平造り、庵棟、身幅尋常にして重ね厚くつき、姿態すこぶる端正。 鍛え、板目肌よく練れて地沸つき、地景細かに入り、備前物らしい潤いある地鉄を呈する。 刃文、互の目乱れを基調として丁子を交え、匂口明るく冴え、小沸よくついて足・葉しきりに入り、砂流し・金筋かかり、華やかにして覇気ある出来を示している。 帽子、表はのたれ込み先鋭く尖って返り、裏乱れ込み先小丸風に尖って返る。 茎、生ぶ、鑢目浅い勝手下がり、栗尻。 総じて本刀は、末備前祐定一門の特色たる華やかな刃文と、潤いある地鉄の美しさを兼備した出来優れた一口である。短刀ながら地刃の働き豊富に、備前伝ならではの明朗華麗な趣を存分に味わわせてくれる。 保存状態も良好で、時代を経た古刀ならではの風格と健全味を備え、掌中にしてなお飽かぬ魅力を有している。 備前長船祐定の優品として、鑑賞はもとより永く愛蔵するに相応しい、誠に好もしい短刀である。 |
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